塩之沢温泉


塩之沢温泉

■施設名   塩之沢温泉  
■値段    500円 
■住所    山梨県
■電話    
■時間    
■定休    
■その他
■訪問日   2016/7/9

泉質等失念

2016年雨の七月初旬、ようやくにして塩之沢温泉に入浴することができました。
かつて仲間たちと「この温泉が好きだ」という岩波書店から刊行した書籍に携わったとき、ある仲間の紹介記事がこの塩之沢温泉だったのです。
あれから幾年月、幾星霜、秋霜烈日、白髪三千丈。
国道52をはずれ、踏切を渡った集落の中に塩之沢温泉は普通の民家みたいに立っていました。付近は中部横断道?の工事車両が頻繁に往来し、静かな集落には交通整理の警備員さんが立っていました。狭い交差点で大型ダンプとすれ違う際に警備員のおじさんは私を丁寧に誘導してくれて、さらには塩之沢温泉の駐車場はすぐそこの公会堂に置けばよいと教えてくれたのでした。インテリのにおいがするなかなか良い男でした。

 

そうして訪ねた塩之沢温泉はこぎれいな民宿風。外観の湯屋風の屋根がわずかに温泉宿を推測させてくれる造り。通された浴場はいたって質素、素朴。
ポリの浴槽は3人も入れば窮屈に見えます。カランからは源泉が出てきますが特段の特徴は感じることができません。
それでも少々と降る雨の中、静かなのずらを眺め、静謐の浴場にしばしくつろげば、わが魂はこの地の山河に昇華、、心身ともに解放されてゆくのを実感できました。
湯から出でると、
「あら、もうでたの」
「うむ」
「ちょっと麦茶を飲んでいきなされ」
宿のおかみは飾り気のない普通のおばあちゃんでした。
出された麦茶をぐいと飲みほして、
「僕はね、ながいことこの宿に来てみたかったんだ」
「あはは、あんた変わってるねえ」
おばちゃんと二人して笑った。

 

 

 

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