何度目かのトライでようやく日の出温泉に入ることができました
ここの立地は甲府からも近く、石和温泉の北方、春日居あたりも至近。フルーツあり、温泉有りの、豊かな桃源郷のような地域にあります。
日の出旅館は一軒宿ながら存外こぎれいでそれなりの等級の宿と見受けられますが、日帰り入浴も受け付けており、ご主人女将の人柄も気さく田舎風と見えます。入浴料金500円を払うとご主人に風呂の位置を教えられます。
「玄関を出でて隣の建物に入ってずっと奥に行くんだよ」
「なるほど」
「ごゆっくりどうぞ」
いわれるままそぼ降る小雨の中浴室のある棟に転進、最奥の浴室へと歩を進めました。
建物は木質感あふれる落ち着いた雰囲気、薄暗い館内は案外まだあたらし良いようですが、木の感触が優しい。脱衣場から浴場もまたウッディで良質感漂います。
そうして肝心の温泉がまた素晴らしい。
何の飾ったところのない浴場には、2つに仕切られた石造りの浴槽がひとつ。
大きな側の浴槽には36度ほどの源泉がとろとろさらさらじゃあじゃあとただ流れています。
果たして源泉放流式の湯は、こんな冷たい秋の雨の日にはぬるくて肌寒いくらいだけれど、ひとたびその湯に浸かれば、浴感はしっとりつるつる母なる大地の子のごとし。
うっとりする感触となめらかな湯、特段の臭気や色合いは感じられませんが、しばらく湯に浸かっているといつの間にか肌には微小なアワアワが付着しています。
「こりゃあいいや」
気候の佳い時期なら一時間でも二時間でも入っていられそうです。
極上おすすめの湯であると思います。