「うーん、これは浅すぎて入れないなあ、こっちは熱すぎるし」
探索することしばし。
ハイキング姿の夫婦の奇異の目にも構わず、
「うむ、ここなら何とか入れるぞ」
入浴適地を見つけて粛々と入浴。
硫黄臭、熱め。
腰からへそまで湯に浸かり、肩へと湯をかけつつひと時の入浴完了。
川の奔流と大岩に囲まれて大自然独り占め。
またまた満足して服を着て歩き始めると、
「どうですか、いいお湯でしたか?」
先刻の夫婦が話しかけてきました。
「もちろんです、あはは。…でもお見苦しいところをお見せしてすいませんねえ」
そういう私の顔に夫婦は優しそうな笑顔で、
「いえいえ、気持ちよさそうで良かった」
と答えてくれました。
良い人たちだと思いました