蒲田の街に近隣在住の人々に人気の銭湯があるという。
名称を「ゆーシティー蒲田」というらむ。
なかなかどうして洒落た命名です。
帝都東京にあって地下より汲み出すコーヒー色した鉱泉は、その肌触りシルクの如く、ひとたび浸かれば疲労恢復著効で日々の労苦苦悩は霧消するのだそうです。
なるほど、すでに夜十時を回っていても浴場には人があふれています。
肝心の黒湯は露天風呂にのみ注がれております。
壁に囲まれた小さな露天風呂。
そこには関東の荒くれ男たちが所狭しと十数人。
誇張でなく小さな浴槽廻りにひしめき合っているではありませんか!
さしもの良質黒湯温泉も荒くれ男の熱気と汗により、周辺は一種異様な足の裏の匂い充満。
若干毒気を抜かれてさしもの私も早々に退散。
でも…
うん、これでいいんだ。
お湯は愉しめなかったけれど人々の闊達な温泉愛好を見ることが出来た。
私は独り微笑んで ゆーシティー蒲田を後にしたのでした。