訪ねたこの日、内湯浴場の最奥の湯口の位置には怪しげな目をした老爺が独り、じっとねめ回すような目つきで他の浴客を眺めていました。
野人の私は委細構わずその湯口付近の特等席位置へと移動、
「やあ、この辺は湯が熱めだなあ、わはは」
老爺は私を避けるがごとくすっと立ち上がると露天風呂の繭の湯という小さな洞窟状の風呂へと移動してゆきました。
繭の湯には若者が一人入っていたらしく、老爺が入るとすぐに出でてきました。
後でその繭の湯に入って思いましたがそこは密室のような狭い空間で他人と一緒になると少々気づまりと思いますが若者はそれを嫌気したんでしょうねえ…
老爺がどういう人かは私には分かりませんが事程左様にピラミッド元気温泉はユニークで面白き温泉施設であると認識いたしました