温泉津温泉
温泉津温泉 薬師湯(2021年)
■施設名 薬師湯 ■値段 500円 ■住所 島根県大田市温泉津町温泉津 ■電話 0855-65-4894 ■時間 0800-2100 ■定休 ■その他 ■訪問日 2021/11/11
情感あふれる温泉津の昔ながらの街並みに、レトロな洋館風建造で異彩を放ちつつもしっとりと溶け込んでいるのが薬師湯です。 張り出した多角形のエントランスが洒落ています。 外観内部とも古いけれどよく整備されていて、郷愁感さそう造りは見ているだけで楽しい。 とはいえ、内部の温泉浴場はまさに情念の浴室と化しています。 湯の情念か、浴客の情念か、はたまた石見の地の情念かは識りません。 脱衣場から浴室に入って、その浴場の全景と対峙したときに温泉ファンならきっと誰もがその光景に見惚れることと思います。 それほどに、ここの小判型浴槽周縁を覆いつくした湯の成分固着や、放射状に広がるその堆積の文様と土色した色合いが圧倒的存在感で迫ってきます。
ある意味、美しいといっても間違いではないような気もします。 いつもいつでも、ここには永劫の湯が注がれ続け、灰濁の湯はとろとろと溢れ続けているのです。 私が初めてここ薬師湯を訪ねたのはかれこれ20年も前のことになります。 ようやくにしてこの湯を再訪することができました。 まさに感無量、無量大数です。 閑話休題
温泉はまさに適温の42℃から43℃ほどでしょうか。 うすら寒い11月の山陰の夜に浸かると、その気持ちよさはまさに極上至極。 湯は薄く濁って、甘みを含んだ塩味とだし汁の香が感知できます。 どぼドぼと注がれてあふれる湯を独り占めして、誰もいない温泉津の名湯を存分に味わいます。 止められないわけです。 降り出した雨の音を聞きながら、閉店まであともう少し、浴場をい出るまであと5分、10分 未練でぐずぐずと時間をつぶして、それでももう帰る時間です。 命あらばまた他日、いつの日にかまた。 振り返りつつ小さく「ハレルヤ」と唱えました
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