温泉は一か所。
大分県らしく浴槽にカボスが浮いているのが目に優しい。
こちらの源泉ははっきりとした硫黄臭、卵味。
なかなか素性の良い湯のようですが、源泉温度が32℃のため加熱での供用。
それでもお湯の感触はしっとりとして柔らか、若干のとろみも感じて浸かりごこちの良い湯でした。
夜は露天風呂にも湯がはられていて、壺湯には32℃の源泉が放流式で流されていたのですが朝は露天風呂は空っぽでした。
こんな山の中でもけっこう地元の人が入浴や食事に訪れたりもするようで、私が夕飯と晩酌をしている隣で近郊の荒くれたちが中華飯や刺身をつまみながら麦焼酎を飲んでいました。
「姉ちゃん、二階堂が薄いやろが」
「おあいにくさま、ちゃーんと五分五分で作ってますよーだ」
厨房とホールを仕切るお姉さんの気風もなかなかよろし。
けして高尚な宿ではないけれど、しんとして静かで普通に良い湯があって、広大な部屋で独りきりで寝た。
大分の旅情は早くも佳境の気分なのでした