金山温泉


金山温泉  支倉旅館  

■施設名   支倉旅館
■値段    600円
■住所    宮城県柴田郡川崎町小野字金山3
■電話    0224-84-2509
■時間    0930-2000
■定休    
■その他   
■訪問日   2010/11/11

源 亀の湯
ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩泉
緩和性低張温泉
35.2℃

静かなダム湖畔から分け入ること少しばかり。
支倉旅館という美しい旅館がありました。
この日、私たちが訪問したとき、宿の女将さんは玄関右手の客舎の屋根に何枚もの和服類を天日干ししている最中でした。
婚礼でもあったのでしょうか、あるいは長い冬の前に衣類一色虫干ししてしまい込む準備なのでしょうか。
いずれにせよ女将さんは門をくぐって入浴所望する私たちにステキな笑顔でもって接して下さった。

 

「うちはお湯がいいのよ」
「なるほど」
「半日だって浸かっていられるわ」
「いいですねえ」
旅館は古色蒼然ながらかつての栄光が忍ばれる堂々たる押し出しです。
玄関から真っ直ぐに進んで浴室にはいると、そこは静謐の浴場。
まさに哲学の湯。

湯は無色透明。
左右二つに別れた浴槽には、左には35度の源泉がとろとろと注がれています。
右側は加熱された浴槽です。
源泉は微硫黄様臭、甘塩味。
しばらく浸かっていると身体には微細な泡がびっしりとついてきます。
もちろん放流式。
いや〜、これは素晴らしいです。

大きな窓からは惜しみなく光が降り注ぎ、周囲の大森林の一部と建家外壁に描かれた宗教画?を眺めることが出来ます。
あの画の筆致はさながらカトマンズの寺院にありそうだと勝手に私は推測するのですが真実は識りません。
ことほどさように、この温泉は静かで穏やかで、やはらかで甘い感触で、泡はあくまで優しい。

私は長いことじっと瞑想してもう何がどうなってもいいような気分です。
こんなに気持ちのいい入浴はなかなか体験できないような気がします。

それでももういかなくちゃ。
僕たちの行く手には秋保のおはぎも待っているし仙台の牛タンだって、国分町では清酒も待っているのだ。
哲学の湯に浸かりながらもかかる無学で俗な欲望にかられて先を急ぐ自身にちょっと嫌悪をおぼえつつ、それでもこんな素晴らしい入浴が出来たことにひどく満足した金山温泉でした。
満足満願

 

 

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