宮原温泉


 宮原温泉  長命館  

■施設名   長命館
■値段    400円
■住所    
■電話    
■時間    
■定休    
■その他
■訪問日   2012/1/26 

泉質等失念
亀の湯「赤湯」と鶴の湯「白湯」の2つの温泉浴場がある

 

植木からほど近くに宮原温泉があります。
わたくしははじめ湯元館という郷愁あふれる旅館に訪問し入浴を所望したのですが、宿のお母さんは恐縮しきりの体で
「あいすみません、ここのところ家人の体調が優れず、宿もお風呂もやっていないのですよ」
と言われたのでした。
そういうことであれば是非もなし。
帰ろうとすると、
「あ、ちょっと待って下さいまし、せっかく来ていただいてのだし、せめてこれを持っていって下さい」
お母さんはミカンを3つ4つ5つ、これでもかと私に渡します。
「ああ、お母さん、こんなに喰えないよ、落っことしてしまいそうだ」
「それからね、これもあげます。ボールペン。せっかく来ていただいたんだから」
怒濤の饗応は女将の客人を断ることへの贖罪意識なのでしょうか、人の良さなのですね、きっと。
ここでお風呂には入れなかったけれど、素敵な思い出をもらった。

 

そうして隣の長命館にて入浴。
なかなか立派な外観ですがお風呂はその湯の色といい薬品に似た臭気といいまさに情念の湯でした。
この近隣に於いて茶色く濁った湯は珍しいようです
悪くありません。
情念の湯は匂いと色に比して、存外その浴感はライトな感触でした。
でも鉱物イオンを有し、ラドンも多く含むとの由で近在のお父さんたちはてんでに湯を楽しみ、なかにはゴロゴロと浴室に寝ころんでトドのようになっている人も居ます。
うむ、これでいいんだ。
私は湯に肩まで浸かり独り首肯しました。
こうして遠路熊本にまで来てこの湯と邂逅する事が出来て嬉しく思いました。

 

 

 

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