村之湯温泉


 村之湯(むらんゆ)温泉  

■施設名   村之湯温泉
■値段    250円
■住所    指宿市大牟礼
■電話    0993-23-3713
■時間    9:00-21:00
■定休    毎月11日
■その他
■訪問日   2009/10/21 

泉質等失念

続いてやってきたのは村之湯です。これで「むらんゆ」と読むようです。
土着的呼び方がしびれます。
「こんにちは〜」
料金を払っていざ浴舎へ向かおうとすると居間でテレビを見ながら昼寝していたおとうさんが私を呼び止めました。
「あんたどこからきた?」
「静岡県の浜松です」
一目で私を地の者ではないと見抜く眼力、さすが居間に飾ってある戦艦長門はだてではありません。
「おお、静岡か、あそこは佳いところだ」
私には指宿も佳いところに思えるのですが
「この間、伊豆の下田に行ってみんな親切にしてくれた、ああ、佳いところだ」
「はあ」
「そうだ、あんたにこれをあげよう、うちのお風呂の記事だよ、うん、これもあげよう、指宿のバッジだ」

お父さんに渡された村之湯の記事コピーはむかし週刊大衆か何かの雑誌に掲載された時のモノのようでした。
鄙びた浴舎にハダカの女性が映っていてどこか悲哀を感じさせるものでした。
渡された「指宿のバッジ」は私も少年時代に持っていたスポーツ少年団のバッジでした。
でも温かさを感じて村之湯に好感です。
閑話休題…

 

そうして浴室に入ります。
う〜ん、やられます。
共同湯ファンならずともこの風情に感銘を受けない人が居るでしょうか。
細長い造りの浴室に縦長に2つの浴槽。別源泉のようですが違いはよく判りません。
昼下がりの指宿で開け放った窓からは時折風が吹き抜け、そうして傾いた陽の光が射し込む浴場のなんと美しいことでしょう。

 

先客は3名ほど。
みな優しく友好的です。
「あんたはまだ前立腺は大丈夫か?」
「はあ」
「おれはこの間前立腺が悪くなってなあ、世の中厳しいなあ」
「はあ」
「脳梗塞も気をつけた方が良いよ」
このお父さんはずいぶんと身体について造詣が深いようです。
ひとしきり健康についての自説を開陳し、菓子パンをぱくついていました。
指宿の共同湯でのこんな光景や会話が何だか嬉しくて、ついつい長湯してしまいそうです。
とにもかくにもそそくさと写真を数枚。

 

ああ、いつの日にか写真だの次のスケジュウルだのに気にすることなく、呑気気ままに湯治でもしてみたい、そんなふうに思いました。
さあ、次に向かおう。
時間を気にしつつ、浴舎をい出るとき、ふと見上げると島津のお殿様と西郷ドンが私に向かって優しく微笑んでいるように感じられました。
それでいいのです

 

 

 

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