心落ち着く浴室だと思います。
私と青森さんは雰囲気を楽しみ写真を撮り、ご機嫌です。
湯からい出て地域のお父さんたちの話題にふと反応しました。
「オリンピックの野球はどうなったんだ?」
「ああ、あれは日本が負けたのです」
「ええ!?」
青森さんがこともなげに日本の敗戦を伝えるとお父さんたちは一様に嘆き落胆しました。
ただ独り、私たちに必ずしも友好的な視線を向けていないように感じられた孤高のおじさんは、力無く笑いながら、
「星野の采配が悪いんだ、オレは負けると思ったよ。なあ、君らもそうだろう」
「はあ…」
それでも良かった。
野球の話題でおじさんと盛り上げれた。ともするとよそ者と見られて敵対視されたかやにも見えた叔父さんこそ何か話の糸口が欲しかったのかも知れません。
外にい出るといよいよ加賀の空は薄暮。佳い入浴が出来ました