温泉めぐりが楽しいのか苦難なのか、私には時々判らなくなるときがあります。
今回のここ親谷の湯入浴などはまさに苦難の極致。
酷暑の8月に、駐車場から照りつける西日を浴びて、階段を下り、渓谷を歩くこと数分。
身体はいつしか汗みどろ、足もとがくがく、周囲を飛び回るアブは虎視眈々。
しかも、この日の親谷の湯は湯量の減少とかで入浴できない可能性が大と、料金所のお姉さんに宣告されていたのです。
どうにかたどりついた親谷の湯には、当たり前のように熱い湯が蕩々と注がれていました。
「うむ、先ずは良かった」
私は独り首肯し、ためらうことなく衣服を脱ぎます。
すると、その瞬間に、アブの猛襲。