おもうに私も青森さんも、明日からまた始まる「日常」と、これで終わってしまう「旅」への感傷とが微妙に交錯していたのかもしれません。
独り浴槽の縁に座ってぼんやりとコンクリート造りの浴舎を見上げます。
何だかいつものワクワク感がありません。
お湯をごくごくと飲んでみます。
苦味の利いた微塩味です。
でもそれもいつもの爽快感を感じられません。
ああ、故郷を離れて一千里。
旅の終わりはいつもちょっとへんてこな気分です。
でも佳かった。良い湯に沢山めぐりあえた。中部地方をぐるりと回ることが出来たのだから。
外にい出るとぽつぽつと雨が降り出しました。
雨の帰路の疾走もまたドラマチックじゃありませんか。
いざいかむ。
私は我が友、DAZAI号を遠州へとむけてひたすら走らせたのでした。
to be continued