斜里温泉 湯元館


斜里温泉  湯元館

■施設名   湯元館
■値段    400円
■住所    
■電話    
■時間    0700-2000
■定休    
■その他   
■訪問日   2013/9/12 

ナトリウム-炭酸水素塩泉
(弱アルカリ性低張性高温泉)
55.5℃
PH7.9
成分総計1910mg/kg
「淡褐色澄明、弱塩味、ほとんど無臭」

続いてやってきたのはオホーツク側知床の玄関口の斜里です
この辺は遠い遠い昔、釧網線の北浜駅で野宿をしたり、斜里駅前の食堂でトン汁定食に感涙したり、カムイワッカ探訪の帰路に斜里で泊まったり、と思い出深い地域でもあります。
万感の思いとともにいざ、道東の空気を満喫。
訪ねた湯元館は、まさに茫漠とした雰囲気の中に建つ大草原の小さな家。
こんなところに投宿して、日がな一日、玄関先で腕組みして用もないのに、犬みたいにうろうろしていたら精神状態は健全闊達に保たれて、おおいに哲学の勉強がはかどると思われます。

それはさておき、入浴を乞うて案内された浴室はひどく大きくて、昭和40年代風で明るく、岩を組んで造られた浴槽には紅茶色した熱い熱い情念の湯が満ち満ちていたのでした。
じゃっかんの疲弊感はむしろ旅情を彩る演出のようにも感じます
そうしてなにより、この温泉は上質優良。
直前に訪ねた原生亭と似たモール泉でありながら、っこちらはより爽快、より淡麗、そして明るく熱い。
およそ、これほどの温泉としての実力を備えていながら、温泉界に斜里温泉の名はそれほどのネームバリューを持っていません。
でも、この斜里温泉の浴場に身を置いて、独り黙考していると、そんなことはどうでもいいことに思われます。

 

名を成して堕落するよりも、孤高を保ち、魂を維持していることのほうがずっと崇高ではないでしょうか。
ああ、また何を言いたいのかわからなくなってきた。ことほど左様にここ斜里温泉は佳かったのです。
わたしは温泉の科学は識りません。
無学無思想の私ですから、ただ、旅先の温泉浴場に遊び、そこに身を置くことに意義を見出すのみ。
その温泉が旅愁と魂を感じさせるものなら何よりなのです。

 

こんな素敵な温泉浴場を有する湯元館がこれから先、いつまでも健在であってくれたらどんなにいいでしょう。
入浴を終えて外に出でると、はるかオホーツクは碧い空。
いつの日にか帰りきん

 

 

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