旭岳から駈けくだり、21世紀の森公園にやってきました。
帰りの飛行機の時間が迫っています。
でも、もう1湯、オーラス投了して帰ろうと思いました。
公園内の一画に造られたウッディな公衆浴場は無料。
さすがは北海道です。太っ腹です。
公園近辺でキャンプを楽しむ人やスポーツを楽しむ人にさぞや重宝せられている施設ではないでしょうか。
息せき切って駆けつけた21世紀の森の湯はどういうわけか大盛況でした。
浴室内にはキャンプやスポーツとは無縁に見えるお父さんたちが6〜7名も入浴していました。お父さんたちはいずれも老境に見えます。
うむ、これでいいんだ。
在郷の人達にささやかな慰安や娯楽としての温泉、これこそが正しい公衆浴場の姿ではないか。
「失礼いたします」
そっと湯舟に分け入ってクンクン湯の香を嗅ぎました。
みんなよそ者の私の行動に奇異の目を向けるでもなく、じっと瞑想するように湯に浸かっています。
二つのカラン湯口開けっ放しではどぼどぼとそれなりの良の湯が放流されています。
洗い場には入ってくるのと同量の湯が溢れて流れて逝きます。
お湯はゴム臭のような独特の匂いがしました。あるいは在郷の人の洗剤かポマードの香りだったかも知れません。
でも、そんな湯の科学よりもなによりも、こうして無事に旅の終わりに無料無名の浴場で遊ぶことが出来た。
写真は撮れなくても自身の心のアルバムにはまたひとつ珠を得ることが出来た。
2011ねんの北海道旅行はこうして終わりました。
入った温泉は25湯。
楽しかったし、懐かしかった。
早くも次の十勝上川訪問が待ち遠しい気分です