某温泉


昼なお暗き宿屋の温泉  20171111上場  

■施設名   なし
■値段    なし 
■住所    
■電話    
■時間    
■定休    
■その他
■訪問日   

その日は雨。
もうずいぶんと昔に、この地にきて至近の宿屋を訪うたこともあるのですが、こちらのお風呂は素通りしていたようです。満を持して訪問した今回、薄暗い宿屋はうすら寒く人の気配もありません。
こんな寒い雨の日はいつにも増して暖かい湯が恋しい。
無人の館内を湯銭を置いてずかずかと奥へ進みます。

脱衣場に入ると、聞こえてくるのはサラサラザーザーという雨音と湯の流れる音との協奏曲。
急ぎ衣類脱ぎ捨てて浴場に入ると、そこに流れるのは美しく澄み切った透明の湯です。
湯の温度は39度ほどでしょうか
木枠の浴槽の底には玉砂利が敷かれて風雅かつ足裏健康法的にも良い。
注がれる湯のさらりとして、しっとりと絡みつく浴感はとてつもなく優しい。
そうしてかそかに漂う硫黄臭気がまた香しい。
さらには、窓からわずかに入り込む光を透かして湯を見ると、まるで湯が光っているように見えます。
いや、この湯は本当に発光しているのやもしれぬ。そんな風にも思えてしまう妖気のようなものをこの温泉からは感じます。

いつしか新鮮な湯は我が肌に微細なあわあわの付着をももたらしています。
これは佳品です。
温度も絶妙だし、静かだし、薄暗さも妙に落ち着くと来てる。
佳い温泉に出会えて至極満足

 

 

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takata

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