いったいどれだけ歩き続けたら安息の湯舟は見つかるのでしょう。
いったいどれだけ銃弾が降り続けたら安息の地は見つかるのでしょう。
歩き続けて二十数分。
これはいかにもおかしいぞ。
断崖を下ってみても、背丈ほども茂ったジャングルをかき分けてもいっこうに黄金の湯が見えません。
「これはダメかもわからんね」
「うむ、ここはいさぎよく引き返そうじゃないか」
衆議一致しかたなく引き返すこと十数分。とある地点にさしかかると、
「おお、こ、これは!!」
先刻気にも留めずに引き返した一画に、草に埋もれたルート発見。
その先に見つけたものはごらんのような黄金郷でした。
木々の間から青空が見えます。
沢の音と冷涼な山の空気。
ほんのり香る硫黄臭、つるつるヌルヌルの湯。
「これあたまらんわ」
しばし夢見心地で極上の湯を楽しみました。