「夢のような旅だった、遠い北の町の〜」
北海道カニ族の間で歌い継がれる名曲「旅の終わり」を口ずさみながら、いよいよオーラスの温泉にやってきました。
ここは当初からラストと決めていたわけでなく何となく時間と地点の関係で結果的に最後の温泉となっただけで、まあ、言ってみれば何の拘泥もない訪問地でした。
ある意味、エンプティな私の旅の掉尾に相応しいような気もします。
板柳の町の郊外、各種観光的な施設が公営で立ち並ぶ処ですから訪ねた温泉も外観は見ての通り。およそ風情や情緒は薄いけれど、旅の終わりの予定調和のような感動的施設よりも、これはこれで人生を考察するには適しているのかも知れません。
そんなわけで板柳ふるさとセンターの温泉は郷愁皆無
でもお湯は青森標準の放流式。
ちょっと薄暗い浴場にPという字の形をした浴槽。
お湯は微褐色かな? 透明、微微塩味
普通に良質の温泉浴場と言えると思われます。
若干の心残りや淋しい気持ちを胸に抱いて私は空港へと最後の疾走。
途中、リンゴの無人販売を見つけて急停車。
リンゴは4こくらい無造作にビニール復路に詰められて100円でした。
リンゴが食べたかったわけではありません。
津軽の地で在野のものを購入して、ひそかに自身で満足したかったのです。
秋雨の津軽路を空港へと走りながら独りニヤニヤして次なる旅を早くも考えている自分がありました。
いつに日にか、どこぞの場所へ、帰りなん、いざ。