この日の名古屋は冷たい雨。
名古屋駅をいでて歩き始めると雨はますます強く、傘もないまま歩き始めたことを後悔
しました。
しかし、途中で傘を求めると、めざすクラウンホテルはもうすぐそこかもしれません。
まあいいか、私は鷹揚に雨に濡れながら歩き続けました。
思いのほか駅からホテルへは距離がありました。
私の悪い癖で失策は速やかに改めればいいのに、例によってこの日は強情に傘なし歩行を敢行してすでにわが衣では雨にずぶ濡れ。
なに、こんな氷雨に濡れた体にこそ、三蔵温泉は珠玉の浴感に感じられるに違いない、
強がりみたいにつぶやいて、ずぶ濡れ姿でチェックインを済ませ、早々に浴場に向かいます。
このホテルは天然温泉大浴場が人気とあって、なかなかどうしてフロントも浴場も活況
を呈していました。
凡そ、写真撮影は困難と思われます。
まあ、それでもいいのです。
名古屋市街にあって、とうとうと注がれる豊穣の湯につかることが出来たのですから。
湯はほんのかそかに色がついているようにも見えますが、ほぼ無色透明。
広々した浴槽は都市ホテルの浴場としては相当な高レベル。
お湯に特徴はあまり感じませんが露天風呂もあるし、タップリとした湯につかれるのは
何より贅沢です。
時間で浴場を男女を壱の湯と弐の湯と入れ替えるシステムも温泉ファンにはうれしいで
す。
近隣に手羽先など名古屋グルメの店も多いし、おすすめのホテルと言えると思われま
す。