太宰的美味礼讃

 

ニュー クロンボ(カレー、洋食)

 

浜松積志郵便局至近。
知る人ぞしる洋食の名店ひとつ。
お父さんは毎日、詩を紡ぐような気持ちで佳品の食堂を維持せられてきました。

美しい面構えです。
何の気負いもなく、何の飾ったところもない。
近年ちょくちょく散見せられる勘違いしたような店とは精神性に於いて異次元。

この日の私が久々にクロンボに吸い寄せられたのは「虫の知らせ」だったのかもしれません。
使う当てのない18切符残り三枚を金券屋で売り飛ばし、さあ、ラーメンでも探訪に行こうか、などとぼんやり考えていたのですが、どういうわけかクロンボに来てしまいました。
カレーは貧相な故を以て、あまり好きではないのですが、この日のクロンボこれこそ「虫が知らせた」あるいは虫が騒いだ、ということでしょうか、

いつになくクロンボのお店は活況を呈しています。
一歩店内に入って活況のわけを得心しました。
悲しい活況。

長らくのご愛顧、ありがとうございました。
当店は12月27日をもって閉店を致します云々。

なんとこの日は閉店の日だったとは!

惜別に、カツカレー850円を食しました。
昔気質のお父さんが煮込んだ名物カレーか一口口に入れると
旨みが広がります。貧相なカレーが深い深い銀河の味わいと感ぜられます。

う〜ん、うまい。
しかし惜しい。
閉店だったらもと通い詰めて全メニューを喰っておきたかったな〜

 

こちらはプレーンのカレーライス、650円。
我が畏友伊藤さんはむかしここに通い詰めてバンクーバーへの構想を練っていたのでしょうか?

おお、いけない、閉店の悲報を伊藤さんに知らせなければ!

 

国破れて山河有り。
またひとつステキなお店が消えて行く
食後の満腹満足感と店をいでた時の寂寥感が何ともミスマッチ。

でも、こんな伝説的な名店に何度か来ることができて、それはそれで私は幸せだったのかも知れないな〜

 


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