太宰的美味礼讃

  

喜久屋(KIKUYA) (各種定食・寿司など)

 

浜松市の高台地区。
若き日の徳川家康が武田軍に敗走に次ぐ敗走を重ね、命からがら逃げまくった三方が原の合戦の主戦場であります。しかし、時代は変わっても、ここ浜松の地には敗軍徳川ゆかりの地名がたくさん残っています。
ここ喜久屋食堂のある場所も「葵東」という町名です。
敗走途中の家康はこのすぐ隣町あたりで老婆の「小豆餅」を強奪して貪り食い、迫りくる武田軍に恐れをなして老婆に礼もせずに逃げ走り、おこった老婆に追いつかれて銭を取られた場所が「銭取」
と、ことほどさように遠州在住の家康はあまり勇ましい話よりもむしろ弱い話が多かった。
まあ、それはいいか…

そんな葵東、姫街道沿いにビジネス宿と和食どころを経営する喜久屋があります。
駅からは離れた地区ですがホンダ技研や関連企業の多い地区ですからビジネス客の需要もそれなりにあるのでしょうか。
喜久屋の和食どころKIKUYAはこぎれいな定食屋然とした趣です。
カウンターが4席ほど。小上りが4席。テーブル席も3席。
若き夫婦が切り盛りする小さな小さな和食屋さんです。

夜の居酒屋メニューも日替わりでホワイトボードに生真面目な文字で書かれているのを見ると、若夫婦の誠実なやる気を感じて、好感します。いつの日にかここで一杯やるのもいいかなあ
そうして、ここの昼定食がまたおすすめです。
定番980円定食は揚げ物や刺身など好きなものを2品と、ごはんお変わり無限、お味噌汁、茶わん蒸し、お漬物、デザートのセットでお得感あり。

 

写真のセットはいずれも980円セットですす。
写真@はエビフライとお刺身。
写真Aはイカバター焼きと刺身。
写真Bはすき焼き風煮と刺身
写真Cは海老フライと串揚げ
いずれも佳品、ぼりゅうむも申し分なし

こちらは豚肉と新玉ねぎの甘辛煮、揚げ出し豆腐と刺身3品
外は春の爆弾低気圧で暴風雨ですが、私の胃の腑は春の爆弾飽食集中豪雨
味とボリュウムももちろん及第点を大きく上回っていますが、美人女将の接客もまたきびきびしていて非常に気持ちがよいです。厨房の実直そうな旦那と二人三脚で、遠州の荒くれ男たちの胃の腑と魂を、これからも溶融昇華させ続けてほしいものです。

今日もまた、わたくしの器は完食です。
実は私はこの店には毎回、とんかつを依頼しようと思って来るのですが、結局毎回、他のものに目がくらんでしまうのですが、まあ、それもいいかな、美味しく食べられたのだから

 

 


美味礼讃        太宰楼トップページ

 

 

inserted by FC2 system