太宰的美味礼讃

 

浅草軒分店(中華そば)

 

東海道本線の弁天島駅から数分。
舞阪の建て込んだ町中の一画に浅草軒分店は在ります。
遠州にラーメン屋はあまたあれど、中遠袋井の「浪花」と舞阪の「浅草軒分店」こそ
文字通り遠州の東西三役級といって差し支えないと思われます。奇しくもその名に東西の名を冠すること楽しいような、ちょっぴり気恥ずかしいような…

この日は残暑真っ盛り。しかし地元のラーメン好きたちは暑さもものかわ、ひたすら中華そばをすすっているのでした

メニュウーはいたってシンプル。
中華そばの大小と餃子の大小しかありません。
誰でも覚えられるシンプルメニュー。

「おれはチャーシュウ麺大盛り!」
「おれもチャーシュウ麺大盛りと餃子!!」
遠鉄タクシーの運転手さんでしょうか、居合わせた北の湖と北瀬海によく似た二人連れがメニューにないラーメンを頼みました。
一瞬店内の空気が凍り付きます。
ともするとこういった昔気質の店では勝手な振る舞いをすると頑固店主に殴られるかも知れません。

「はい、チャーシューめん大盛りと餃子ですね」
しかしアルバイトの高校生はごく普通にオーダーを受け付けると厨房に向かって
「チャーシュウ麺ふたつと餃子」
当たり前のように大きな声で告げますた。
なるほど、出来ることはフレキシブルに対応するのが店の方針のようです。
勘違いしたような気取った店ではないことにずいぶんと安心しました。

それはさておき
ここのラーメンは一回目よりも二回目、二回目よりも三回目
通えば通うほど癖になる良質の魚介出汁の味です。
これあいいです。
スウプ表面に浮いた油もお上品で、血圧の不安がなければグビグビと汁を飲み干してみたいお味でございました。

 

中華550円。大盛りで650円。
餃子が10個で400円。
浜松餃子とか言う実体の明確でないイメージ商戦などどこ吹く風の質実剛健、我が道を行く餃子もそれはそれで佳いものです。

浅草軒分店のラーメンは言ってみればふるさとの味といったところでしょうか
現代風のニュウウエーブに今ひとつ乗れない人にはピッタリの中華そばと確信いたしました

 

 

 


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